ご挨拶
東京を流れる多摩川に育まれてきた「稲城」には、何代にもわたって、真面目に生きてきた人々の農耕文化があります。美味しい梨やぶどうの中に、この「ほのかな文化の香り」をどう取り入れるか!これを当園の栽培目標としています。
大きな梨やぶどうを収穫するには、樹に肥料を沢山やればできる。では、美味しい梨やぶどうをつくるには、どうするのか。先ず自分自身に、次に栽培にたずさわる人全員に、文化の肥料をまく事です。
そして風通しがよく、明るい農園をつくり上げる。これがないと、ほんとうに美味しい梨やぶどうは、収獲出来ないと思います。
松乃園では、丹誠を込めて育み、心を込めて販売する体制を維持する為、販売は「全品御予約制」を取っております。ご理解ご協力をお願い申し上げます。
歴史
徳川の関東入府から17世紀までの間に、関東一円で、大規模な治水・利水政策が行われました。この一環として、多摩川の大丸用水開削があります。この開削には、農民の大変な労力が費やされました。私の祖先は元禄初めの頃、この用水の支流「切方堀」を開削し、新田を開墾いたしました。
松乃園は、私(清一)で寛永より17代続く専業農家で、平成15年度第一回稲城市認定農業者に認定されております。梨は明治19年に「矢野口梨有志組合」が発足した時から発起人の一人として、13代(定介)が参加しております。また、ブドウも明治の後期より栽培を始めました。
明治、大正時代は荷馬車で神田まで運んでおりましたが、昭和になってからは、市場側で稲城村まで梨の集荷に来てくれるようになりました。昭和30年代に16代(兼幸)は京王電鉄kkと組み、新宿から「もぎ取り電車」を走らせ、東京都民の間にも、多摩川梨がそれまで以上に知られるようになりました。また、茨城県での梨生産の指導にも力を注いでまいりました。
現在は、植物、人間に大切・不可欠なミネラルを沢山含んだ堆肥や肥料を研究し、健康によく、美味しい梨とブドウを生産し、宅配便を使って全国に発送しております。
古木の五葉松は、毎年、梨の剪定を始める前に、ていねいに手入れをします。
茨城県の㋣梨組合から贈られた「筑波山四六のガマの置物」
茨城県㋣梨組合から贈られた「筑波山の石どうろう」
こだわり
栽培のこだわり
丁寧に手入れされた松乃園の農園では、4月に梨花が一斉に咲き出し、しばらくの間「白一色」の光景がご覧いただけます。開花と同時に「受粉」作業を行います。この作業は、大きな美味しい梨を結実させる為に非常に大切であり、一花づつ丁寧に行っています。8月を過ぎる頃、たわわに実った梨がいっぱい見られるようになります。
また、日本の社会意識の変化にともない、当園では梨・ぶどうの栽培方法を見なおしました。
<有機農法に徹する>
・下草は伸ばしたままにし、収穫前に刈り取り「緑肥」として、土に戻します。
・外見を良くし、実を大きくする窒素肥料は半減し、体に大切な自然界のミネラルを多く含んだ堆肥や貝化石を施します。(カニのこうらとカキの殻、魚のアラなど)
・農薬散布回数を半減し、全部の実に袋をかぶせます。安全で持続可能な農業を目指すためです。
宅配便のこだわり
「一年間お世話になった友人・自分自身へ感謝の気持ちを贈ります。」
このお客様への心を大切に本年も発送をいたします。
有乃実茶屋(ありのみちゃや)
松乃園には明治時代に建造された、古い土蔵がありました。このたびここを改造して、お客様の休憩所にいたしました。
移設・改修工事期間:2006年10月~2007年7月。柱は傷んだ部分を一本一本切り取り補強し、全部の土台には栗の木を使用しました。また、土台の回転と移動は60日間かけておこないました。
有乃実茶屋では、以下の商品を販売しています。
・稲城の梨ワインアイス
1個350円(税別) 販売期間:8月上旬~9月中旬